春の長雨の後に

 二日間、かなりまとまった雨が降って
今朝の木々は潤った葉を陽射しに向けて楽しげです。
雨の日にはよく訪れていた小鳥たちが
今日はさっぱり姿を見せません。
もっと遠出をしているのかもしれません。
私だってピクニックに行きたいような気分なのですから。


 昨日出がけに車のエンジンがかからず、
大急ぎでタクシーを頼んで出かけました。
それなのに、夜、息子にエンジンをかけてもらいましたら
「何の問題も無くかかりますよ」とのこと、
あれは一体何だったのでしょうか。
そんなこともあって、買い出しが先延ばしになっていました。
9時前車の窓から見上げた空のきれいなこと、
やっぱりお日さまは有難いです。
背高のっぽの楡の木に、陽射しが煌めいているのを眺めながら、
先日見たピサロの絵を思い出しました。
ラニー、サン=シャルルです。
大好きなピサロの中でも最も好きな絵になりました。
三菱一号館で開催中のクラーク美術館展でのこと、
初めて見て、一目惚れです。

あの点描画に憧れて、何回となく模写をして
恥ずかしくなってやめて、絵をそっと押し入れに隠して、
そんなことを繰り返しました。何とも無謀なことをしたものです。
今は絵との出会いを楽しむことで満足しています。


 木の葉の煌めきもですけれど、今日は他にも二つ
ちょっとうれしいことがありました。
ドライブの途中で、昨暮店じまいした和菓子屋さんの前を
通りかかりましたら、
閉まったままのドアにビラが貼られています。
そこには「再開店のお知らせ」とあって、
「孫がやってみると言いますので、店を任せてみることにしました」と
続きます。「へー、それは良かった」と呟きました。
母の茶室のお菓子はいつでもここで作ってもらいましたし、
どこに行くのもお土産はここのきれいなお菓子でした。
ちょっと時を蘇らせることが出来るような心地してうれしかったのです。
 

 良い気分のまま入ったスーパーマーケットで、
今年も誕生仏に会いました。

4月8日は仏生会ですね。
赤ちゃんの仏様が天を指さして立っている前で甘茶を飲んできました。
たまたま[気持の良いお天気ね」と声をかけてきたフレンドリーな方が、

「一緒に甘茶飲みましょ。良いことが起こるって言うわよ。ハイ乾杯」
とさっさとお茶を注いで下さったのです。
その方が「貴女、とっても穏やかな良い顔している、
きっとよいことがあるわよ」とこれまたうれしいことを
云って下さったのです。
乾杯の後に飲んだお茶は、
とってもあったかくて、ほんのりとした甘みがありました。