淡い緑と桃色と

 朝の陽射しが明るい日は、
穏やかな一日が約束されたようで良い気分です。
ヨガをしてから朝食の筈が今朝は寝坊してしまい
息子の階段を下りる音で目覚めました。
直ぐに朝食の支度をして、食事を済ませて、お茶の用意をして、
家を出たのが7時少し前、
お墓参りは毎月夫の月命日に近い日曜日と決めています。
長男とは8時にいつもの花屋の前で待ち合わせです。
道はとても空いていて、信号以外で止まる場面は全くなかったのに、
長男はもう着いて待っていてくれました。
薔薇、カーネーションスイートピーデンファレ等々求めました。
お墓には夫々先客があって、墓前はとても華やかです。

隅から隅まで二人の孫に磨かれて、
父も母も満足してくれたことでしょう。
真黒の夫の墓石は、
色の着いた細かい粒子でうっすらと覆われていましたけれど、
(きっと黄砂なのでしょう)
息子達は黙々と墓石を磨き上げておりました。
花を活けて、お茶を入れて、お線香を点けて、
それぞれに心行くまでお詣りをしました。


 東京よりは2度くらい、いつも気温の低い高尾にも、
もう春が来ていました。
開いたばかりの若葉がぽやぽやとやわらかい曲線と色合いを見せ、
墓地全体が淡い彩りのやさしい雰囲気になっています。
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ソメイヨシノはもう去った後でしたけれど、
八重桜、しだれ桜、ミツバツツジが花盛り、
淡い緑とピンクが
しっとりとした日本の風景を作り出していました。

 
 帰って直ぐに長男と出かけたのは電気屋さん、
壊れてしまったエアコンディショナーと調子の悪い電話の品物選びに。
パソコン、ハードディスク、プリンター、カメラ、等々、
少々ややこしいものの品物選びには、
いつも息子達の知識と手を借りることにしています。

 
 たっぷりの鯛のおさしみ、とこぶしの煮物、
庭の三つ葉のお浸し、到来物の根昆布のたたきなど
あっさりしたお昼を済ませると、
「1時に約束があるから」と
息子はあっという間に引き上げて行きました。