春の長州を旅して(1)

 連休前のまだすいていた時をねらって
新緑の山口、宇部、萩を旅してきました。
友人との二人旅です。
24日羽田を出る時はかなりの雨、でも山口宇部空港では
雨は上がって、
フェニックスが風に大きくはためいていました。
旅の始めは山口県立美術館から。
「松田正平生誕100年展」が始まって1週間が過ぎていました。
広い建物の3部屋を占領して並んだ松田さんの絵は、
殆どが年代順でしたけれど、
薔薇の絵10枚ほどは纏めて展示されていて
そこだけ他の絵と少し趣を異にしていました。
薔薇の絵の一番最初が我が家からのもの、
夫が高校時代、松田さん宅にお世話になっていた頃に描かれたもの、
思い出に戴いたようです。
ゆっくり一周しておみやげを見て、
美術館を後にしました。


タクシーでその日の宿「松田屋ホテル」に着いたのは4時頃のことでした。

部屋の担当の仲居さんに庭の散歩を勧められて庭履きで外に出ました。
奥行きのある素晴らしい庭でした。
幕末長州の歴史と共に歩んできたこの旅館には
謂れのある建物や、作品や、お話が沢山あって、
庭と旅館の中を歩くだけでも退屈しない面白さがありました。
例えば庭の四阿、
薩長連合の密談に使われた場所と番頭さんに説明されてみれば
如何にもそんな気がしてきます。
庭の片隅の昼も陽の届かないような薄暗い土間に、
自然木の机と切り株の椅子、たばこのセット、
当時のままという佇まいになぜか親しみを感じました。

司馬遼太郎が愛したという赤松が目の前に聳えたつ部屋もありました。


食べきれないほどのご馳走に、
[

]

源泉かけ流しの温泉、
山口の第一夜は、ちょっとした疲れと、解放感が
私達を饒舌にしているようでした。