白いシランが綻んで

二日間続いた夏日の後に、しっとりとした小雨の朝になりました。
小止みの合間をみて庭歩き、いつも何か新しい出会いがあるのです。
今朝は白花紫蘭(不思議な名前です)が一輪綻んで、
私を迎えてくれました。

母が愛した清楚な花、
5月の茶花に活けこんでくれるのが常でした。
明日は母の日、雨の予報が出てはいますけれど、
長男、次男と共にお墓参りに行く予定にしています。


 小雨が本降りに替る頃、電車に乗り込みました。
すみだトリフォニーでのマチネーコンサートに行くために。
友人とは新宿で10時半に待ち合わせです。
昼食はお定まりの錦糸町東武ホテルレバントのレストラン「Ren」で。
雨に煙る高い塔を眺めながら、
スカイツリーヴュー弁当なるものを戴きました。
いつも同じ所で替り映えのしないことです。


 トリフォニーホールは今日も大盛況、
最近は年配のご夫婦をとても多く見かけるようになりました。
 今日の演奏曲目は、いずれも良く知られたモーツアルトの大曲三曲、
モーツァルト/セレナード第13番
ト長調 K.525 「アイネ・クライネ・ナハトムジーク
交響曲第40番 ト短調 K.550
交響曲第41番 ハ長調 K.551「ジュピター」
耳になじみの深い曲ばかりです。
演奏は、新日本フィルハーモニー、
指揮者は大ベテラン飯守泰次郎さんです。


 素晴らしい演奏会でした。
するすると音が体の隅々にまで融けこんで、夢見心地になりました。
妙に身構えたり、ちょっとした不協和音にいらいらしたり
そんな時期もありましたけれど、
最近の私は、音楽は長閑に聴いて、心楽しめばそれで充分と
そんな風に感じるようになっています。


 帰り道、雨脚はますます強くなっていましたけれど、
心はほんわりとまろやかで、
やさしくなっている自分を感じていました。