雨の父の日

 朝から大雨です。
6時前に長男から電話がありました。
「高尾はもっと大雨との予報だけど、どうする?」と。
折角行ってもお掃除も出来ないのでは残念だからと
結局延期と決めました。


父を訪ねることは先になりましたけれど、
お昼とおやつに
父と夫の好物を用意しました。
お昼は鯵丼と鯵の酢のものに茄子のお味噌汁と香の物を添えて。

お三時には、母から教えられたブラマンジェを。


 何かに行き詰って頭を抱えるような時、
いつも父の写真に語りかけます「お父さまどうしたらいいのかしら?」と。
父は、どんな時でもすぐに答えを与えてくれる人ではありませんでした。
「人に聞く前に、自分でよく考えてみなさい。
必ず答えは見つかるはずだよ」と。
そしてもう一言「あんたはいつもよくやっているよ」と
付け加えてくれるのでした。
父のこの言葉の最初の記憶は、清水で過ごしていた小学生の頃です。
父と手を繋いで散歩をしていた田舎道、
田んぼを囲む道がセメントで固めたように、
泥の壁で塗り上げられているのを「どうして?」と訊ねた時でした。
「人に聞く前に、自分で…」と云われて、
ちょっとショックを受けたことを昨日のことのように覚えています。
本当に一生懸命考えました。
その内考えるだけでなく、
どうしても分からなければ、自分で調べることも覚えました。
「あんたはよくやっているよ」の言葉が、
私の励み、そしてご褒美でした。


 いつも姿勢を正して、真っ直ぐに前を見つめて歩いていた父、
外に表す姿勢のままに、人生を生き抜いた人でした。