盆の入り

 一年はあっという間に巡ります。
今日はもうお盆の入りなのですね。
スーパーの店先には盆飾りが並び、
鬼灯や白菊が溢れんばかりに用意されていました。

 茄子に胡瓜、それにトウモロコシの髭を分けてもらって
持ち帰りました。
「何にするんですか?」と店員さんが不思議そう、
ナスやキュウリで牛や馬を作る風習はもう廃れてしまったのでしょうか?
息子が茄子で牛を、私が胡瓜で馬を作り、
自己流の盆棚に、帰宅予定の盆様それぞれの好物と一緒に飾りました。


 お盆は東京では7月、信州、宇部では8月、
父、母、夫を7月13日に迎え入れ、
8月16日まで滞在してもらうことに一人で勝手に決めています。
郷里を離れて、東京に住んだ人たちの特権なのですから。
今夏は母の新盆、
法要は両親の郷里信州の菩提寺で旧盆に営みます。


 夕暮れ時、御殻を焚いて盆様を迎えました。
これから一ヵ月、父や母、舅や夫の気配を身近に感じながら過ごします。
病の人の傍らで、心配に胸がつぶれそうだった日々は、
時の流れと共に薄らいで、
幸せな想い出だけが色濃く残っていることを有難いと思います。