秋を手許に引き寄せながら

 昨日一日降り続いた雨が今朝は上がって、
雲の間から逭空が覗きました。

土が水を吸ってくろぐろと潤い、木々が生き生きとしています。
水にも低温にも弱い夏の花ペチュニアは、
もう最後の姿になりましたけれど、

菊が勢いを増しています。


 この土、日は、オリンピック、オリンピックで明けて暮れました。
私は東京誘致には賛成ではありませんでした。
福島原発の汚染水が、
ほとんど垂れ流し状態のまま二年半も経過しているような状態で、
オリンピックどころではないだろうという気分だったのです。
猪瀬知事の人種偏見発言にもあるように、いくら言い訳したところで、
彼の品性は透けて見えます。
そんな人の音頭取りで行う東京五輪は、
いかにも心が伴わない、ご都合主義に思えましたし。


 でも東京に決定しました。
決まったからには、日本らしい心のこもったおもてなしで
是非とも東京五輪は成功させなければなりませんね。
この度の招致の経過の中で、何よりの成果は、
安倍さんが福島原発の汚染問題に関して、日本政府が、安倍さん自身が
責任を持って問題解決に当たると、世界に向かって宣言したことです。
「状況は完全にコントロールされている」
「汚染水はブロックされている」と実態と異なることを言っていた
のはやり切れませんでしたが。
しかしやると約束はしたのです。
それならば直ぐに実行に移してもらいましょう。
世界が見つめているということは誤魔化しの効かないこと、
やらないわけにはいきませんね。
経済効果より何より、世界の目が福島の現状に向いたことで、
五輪招致は、大きな意味を持ったことになると思います。


 夏の間いろいろと理由を付けて怠けている間に
物置と化してしまった私のホビールーム、
制作の季節を迎えて、作業を本格的に再開する前にと、
今日は作業部屋の大整理をしました。
特に手紙や写真、領収書、雑誌や文庫本の類を集中的に。
でも棄てられないものが多過ぎます。
想い出に繋がるもの、もしや必要かもしれない記録、
どこで線引きして良いものやら、作業の手がしばしば立ち止まります。
陽射しと風に少し変化が見えて来たものの、やっぱり汗がしたたります。


 でも少しずつでもスペースが出来ていくこの過程は
気持の整理をしていく過程に似て、精神衛生上まことに
良さそうです。
「早く始めればよかった」の後悔も毎度、毎度のことですけれど。