夏日が戻ってきた日に

 また暑さが舞い戻って来ました。
眩しい陽射しの中で、今日の茶会用に
紫式部、藤房うつぎ、菊など秋草を摘みました。
茶菓子を3種類、茶道具を何点か、
カメラにテキストにと大荷物を抱えて、
タクシーに乗り込みました。
母の茶室「知川庵」へと。


 早速に今日の稽古の準備にかかります。

お菓子を盛り付け、

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茶入、茶器へ抹茶を入れてと、
母が静かに整えてくれていたことを
私がばたばたと準備する間、
義妹が火を熾し釡に湯を沸かします。
今日の床の花は、
お弟子さんにお稽古としてやって頂くことにして、
茶庭の花と我が家の庭の花とで10種類ほどを準備しました。

茶室の準備が済んで、こんな景色になりました。

義妹が掛けてくれた軸は「茶」、

敬老の日が近づく頃、
母がお茶の和みに因んでと、よく出していたものです。
棚は瓢棚、水指は朝鮮唐津、茶器は秋草。


 茶室の一方には逆勝手の点前座も設けました。
すっかり支度が整った頃を見計らったように、
顔ぶれが揃いました。


 夏休みを挟んでいますから、
いつもはスムーズな皆さんの手があちこちで滞ります。
母がいつも夏休み明けに設えた逆勝手の点前は、
点前座の位置を変えるために道具の置く位置、
それを扱う順序等が逆になるもので、気を抜けないのです。
夏休み明けの逆勝手は、皆さんの頭にスイッチを入れるための
母の方策だったのではないかと思います。


 和やかな茶会の様子を、
母の穏やかな笑顔がずーっと見守っていてくれました。