台風一過

 朝新聞を取りに外へ出て驚きました。
あまりに空気が涼やかで心地良かったものですから。
台風が暴れまわった翌朝(昨日の朝)は、もやもやしたものが
すっかり打ち払われて、空はあくまでも碧く、
陽射しが煌いておりました。


 玄関前の吹き溜まりには
見たことも無いような様々な葉が吹き寄せられて、
中にはどこかから飛んできた洗濯バサミなども混じっています。

それらを集めて、さいわい回収日だった門先に出しました。
掃除をしていても汗一つかきません。
あまりに気持が良くていつまでも外に居たい気分です。
つい二日前までは、用が済めばそそくさと家に逃げ込んで居ましたのに。


 午後から出かけました。
友人と新宿で落ち合い、少し早めの夕食。
マキャベリーでイタリアン・ディナーです。

[
ゆっくり2時間楽しんで、
タクシーで百人町のstudio Virtuosiへ。


 友人Fさんが長年の音楽のお仲間と昨秋結成された弦楽四重奏団
第一回目の演奏会。
メンバーの方達は幼い頃から音楽に親しんだ方ばかり、
でも音楽を専門にはなさらず、他の仕事に就かれてご活躍でした。
(大学の教授や技術者など)。
あまり広くはないStudioにびっしりと置かれた椅子は満席、
後から見えた方達は立ったままです。
300人近くの聴衆がいらしたのでしょうか。
曲目はベートーヴェン弦楽四重奏曲 変ホ長調 第2番と
プロのピアニストY. N.さんが加わっての
ブラームス ピアノ五重奏曲 ヘ短調 作品34
ベートーヴェンの出だしは、
皆さんの緊張が伝わる思いで、私も少し緊張しましたけれど、
3楽章、4楽章と音がゆたかに響き始め、心地良い旋律が流れました。
ブラームスは最初から高揚してメリハリのある素晴らしい演奏でした。
曲も耳慣れているものでしたから、本当に楽しませて頂けました。
万雷の拍手、花束が贈られ、緊張から解き放たれて
皆さんに笑顔が戻りました。


 Fさんに「おめでとう」と声をかけ、握手をして外に出ると、
都会の夜更けとは思えない爽やかな風が吹いておりました。