季節は行きつ戻りつ

 朝の風は心地良いのですけれど、
ぐんぐんと気温が上がって、
夏のような陽気になりました。


 昨日の朝のことです。
8時過ぎ電話のベルが鳴りました。
夫の妹からのもの。
こんな時間にめずらしいことと思いながら
「お早うございます」と言葉を交わして、
ふと違和感を感じました。何か胸騒ぎがしたのです。
哀しい予感が当たってしまいました。
10月7日に99歳を迎える姑が、
今朝5時過ぎに旅立ったとの報せでした。
あっという間に涙が溢れて、言葉になりません。
頭が空っぽになりました。
つい数日前、山口の梨が届いて、

そのお礼の電話で話をしたばかり、
「そちらさまにはみなさまお変わりありませんか?」と
此方の安否を気遣ってくれた母、
6月に長男と共に訪ねた時には
「こんなに小さかったのに、こねいに立派になって
貴女もさぞやおせいがええじゃろう」と
目を細めて息子を見つめておりました。
顔色もよく、おみやげのお菓子をどれもおいしいと
楽しんでもくれたのです。
10月の誕生日近くに、母の好きなものを持って、
また会いに行くつもりでした。
何を言っても繰り言になります。
昨日は一日中宙を浮いているような心地で過ごしました。

遠方に居る娘の嘆きはあまりにも大きくて、
慰める言葉とて見出せません。
仕事があって、小学生がいて、直ぐに日本へと
いう訳にはいかないのですから。


 いろいろな思いを抱えて、私と息子達は
明日母に会いに宇部に発ちます。
母がしばしば語ったというボストンでの思い出写真を
携えて。