夕焼雲に母(姑)を想って

 また暑さが戻って、東京も28℃まで上がったそうです。
涼しさに慣れ始めた体には少々こたえますけれど、
庭に出ても、玄関の外に出ても
辺り一面、金木犀の香りに充ちていて、
秋を手中に納めている心地良さは揺らぎません。


 今日は午前中に「氣功」の体験をしてきました。
一時間半の内、30分は自分で体の調整、
先生について一時間のゆっくりした運動は
内臓を調整し、血流を良くするのが目的のようです。
ヨガと同じように動作の流れが長閑なので、
私にはやり易いものでした。
10月は時間が取れないので、出来れば11月から
始めたいと思いながら戻りました。


 帰宅するとすぐに予約してあったモンブランが着きました。
今日は母の99回目の誕生日、栗が好きだった母に
バースディケーキとして注文しておいたものです。
母は柔らかく、甘く調理したものが好きでした。
栗に限らす豆、南瓜、さつま芋などなど。
私の作るスイートポテト、パンプキンパイなどを
おいしそうに口に運んでくれたものでした。


 おやつの時間にモンブランと紅茶を
母が居てくれるとおぼしき東の部屋に並べました。

この部屋は、母が上京した時のためにと夫が建てた、
母専用の部屋でしたから。
この日のために用意したハロウイーン・リースは
私の手許に残ったまま、今年は飾る気持にはなれませんでした。


 母を偲んで歌った
「誕生の祝いの品を届けたし紫の苑に憩える姑(はは)に」
を色紙にしたため、
七七忌に母の墓前に供えようと思っています。


 雨戸を閉めようと硝子戸を開けると
高い空に浮かぶ雲が、ピンク色に染まっていました。
前触れも無く母の笑顔が浮かんで、
心が涙でいっぱいになりました。