秋深まりて

 昨日は空の重い一日でした。
雨粒はほんのポツポツ程度ですぐ止んで、
ドライヴにもお掃除にもお参りにも
差し支えは有りませんでしたけれど。
昨日の朝の墓参の折のことです。


 次男と二人で家を出たのは7時半、
日曜の朝は街道沿いも人影少なく、車も滞ることもなく、
紅葉が始まった道を楽しみながらのドライヴ、
多摩御陵沿いの高尾街道が上品な秋色に染まっていました。

ごく最近参って下さった方があったのか、
まだ生き生きしている花に持参の花を添えて、

いつものように様々な報告をしました。
それが、私の元気の秘訣です。


 リフレッシュして戻り、昨日、今日と
かなり根詰めてしていること、
それは茶室に関する本作り、
以前から頭に有ったアイディアが、お茶の生徒さんの希望と一致して
実行に移すことになりました。
早速本屋さんと打ち合わせを済ませ、原稿書きに入りましたけれど
始めてみれば、そうそう簡単ではありません。
一つの茶室の月毎の様子ですから、
ページは、月毎に見開きで納めなければならない、
一ページは限の良い所で区切らなければならない、
英文を添えてとのご要望もあって、ますますややこしくなりました。
茶道具は馴染みのないもの、
ましてや外国人には、一つ一つの道具に細かい説明が要ります。
そのため文章に紙面を多く割くことになり、写真は控えめに、
苦労のわりに見た目はすっきりしない、等々
やってみて始めて気付くことばかり。
とにかく見本を作って、皆さんの感想や意見を聞いてみようと、
原稿作りに根を詰めているという次第です。
ここ一週間ほど、空いた時間は全て原稿作りに費やして、
ようやく表紙と、一月、二月が済んだ程度の鈍足ですが。


 頭も肩もこちこちですけれど、でも気持はとても柔らかです。
もやもやっとしていたものが
だんだん形をなしていく実感が、心を充たしているのでしょう。
これが一冊の本に仕上がるのは、まだまだ先の話ですけれど。


 疲れた頭で、ぼんやり外を見ていましたら、
梅の枝に、ふっくらとした雉鳩が、
二羽並んで日向ぼっこをしているのが目に入りました。

お互いに知らんふりしているように見えながら、
片方が動けば、さりげなくもう一羽も移動します。
ほほえましくて、見惚れていましたら、
急に思い立ったように二羽が一気に飛び立って、
あっという間に姿が見えなくなりました。