光眩い朝に

 東京も今朝の気温は1℃、日本中を寒気が包んでいます。
穏やかな年明けにほっとした後だけに、
この底冷えは体にひびきます。
ずーっと床暖房だけで問題なかったのに、
昨日からは天井からの温風も必要になりました。
でも朝の陽射しのなんと明るいこと、
空の動きに春の兆しが見え隠れしています。


 昨年からずーっと、ちょっとややこしいことを抱え込んでいて、
そのことがいつも心のどこかに
重石のような存在になっている感覚があります。
努力と期間とが徐々に内容を和らげてきてはいるのですが、
まだすっきりとした結論には至っていません。
でもあと一息、もう一頑張りです。
今朝もお仏壇に手を合せ、彼岸の方達に
後押しをお願いしたのでした。


 その事とは別に、昨日一段落ついた出来事があって、
今朝は少し時間と心にゆとりが出来ました。
陽射しが奥まで入るリビング・ルームのソファーで、
日経新聞に隅から隅まで目を通しました。
NECの誤算」胸に迫るものがあります。
「F35戦闘機購入拡大」
「円、110円うかがう、日経平均1万9000円視野」
スキージャンプ葛西選手[41歳]の活躍ぶり、
津波被害の中から蘇った石巻の土蔵の話、・・・
ゆっくり読めば、新聞は物語の宝庫です。
最後に千草茜さんのエッセイ「歯の妖精」を読んで、
心に火が灯りました。
「小さな奇跡や喜びを日々重ねていけるなら、それで充分笑える気がする」
本当にそうですね。
私にも小さな奇跡や喜びは日々何かしら突然にやって来ます。
例えば、寒空に咲く真っ赤なセージが目に飛びこんで来たとき、

ネット注文のピンクセーターが、期待通りの色とデザインだったとき、
息子が用意してくれた、あったかな蟹入りラーメンを味わうとき、

ほぼ完成した本の原稿「茶室の十二ヵ月」を掌で確かめるとき、
躑躅の繁みの中に、鶯が素早く動くのを見たとき、
窯の中で茶入の素焼きが終わったとき、
友人からの心こもる手紙を受け取ったとき、
庭に可愛い猫が、遊びに来たとき、
・・・・・・・・。
一日、一日は、
こんなにもたくさんのやさしい出来事で充たされているのですね。
小さなうきうき感、安堵感、満足感、期待感、・・・、
見逃すまいと思います。