都会が豪雪に見舞われて

 大雪の予報は数日前から出ていましたから、気になっていたのです。

昨夜、付けっぱなしだったテレビから
冬季オリンピックのオープニング中継が流れて来て目覚めました。
1時半ごろのことです。
雪や如何にと外を見ても、まだ何の変化もありませんでした。


 ところが、どうでしょう。
4時半に再びカーテンを開けてみると外は真っ白。
やられた!と思いました。
どうしてそんなに天候が気になったかと言いますと、
楽しみにしていた予定があったのです。
友人が所属する合唱団 JFMA GLEE GLUBのチャリティコンサートの。
歌われる曲は大好きなものばかり「月光とピエロ」「ふるさとの四季」
そして日本の懐かしい歌のメドレーなど。
予報を見れば「明日の明け方まで雪は続く」、
「16年ぶりの大雪」、「積雪は都内でも15㎝」と
悲観的なものばかりです。


 2年前も3年前も雪の日にタクシーを呼ぼうと試みて、
電話が全く繋がらなかった経験があります。
タクシー無しには最寄りの駅まで行けません。
朝の様子で結論を出すことに決めてあった友人と話をして、
ようやく諦めを付けました。
雪が続く中を無理を押して出かければ、
帰宅は難渋するのが目に見えていましたから。
予約してあったレストランからは、
「ご無理なのでは?」と先手を打たれました。
優柔不断を見抜かれたのかもしれません。


 16年前の大雪の日は、母の初釜の日でした。
20人分もの懐石料理をせっせと作って、準備を整えた上での中止、
それでもくよくよもせず、
お重に詰めた豪華な料理を持たせてくれました。
「長いことお茶をやっていれば、こんなこともあるものよ。
みんなが喜んで食べて下さったらそれで充分」と
母は、なんと爽やかだったことでしょう。
沢山の経験を経てきた人の嫋やかさ、逞しさ、
事あるごとに思い知る母の大きさです。


 午後10時を過ぎました。雪はまだ深々と降り積もっています。