空と陽射しは春なのに

 先週出ていた雪の予報がいつの間にか消えました。
空に広がる薄い雲の合間から強い陽射しが届いて、
芝上の残雪が眩しい光を放ちます。
春はそこまで来ているのに、何を躊躇っているのでしょうか。


 雪籠りに飽きて、昨日は友人と出かけました。
オルガンコンサートとランチに。
ウイークデイということもありますけれど、
街はいつもよりは人影が少なく、
ホテルのロビーも閑散、
コンサートホールもかなり空席が目立ちました。
まだ雪の後遺症から完全には抜け出せてはいないようです。


 サントリーホールの今日のオルガン演奏者は
山口綾規さん、早稲田の政経を出た後に、
芸大の大学院へ進んだという強者、
音楽への夢捨て難くだったのでしょうか、
凄いなあと思います。
演奏曲目は
グローフェ:ミシシッピ組曲からマルディグラ
時期ですね。
JSバッハ トッカータアダージョとフーガ
パイプオルガンにはバッハは必ず顔を出します。
最後がスウィングの代表曲「シング・シング・シング」
スウィングバンドの演奏を聴いているような気分になりました。


 ランチは隣のANAホテルでベイクド、ロブスターを。
ボストンに馴染みのある友人と二人、
「サイズが小さい、ロブスター用のフォークがほしい」などと
ボヤキながら、実はとても楽しんだのでした。

デザートまで平らげるともう動くのも億劫なほど。


 そろそろ混み始めた急行を途中で乗り換えて、
各駅停車でゆっくりと座って、帰って来ました。
澤地久枝」さんの「希望と勇気この一つのもの」を読みながら。
暮れなずむ川縁に寒桜がちらちらと咲いていて、
そのまわりにほんのり春めいた空気がありました。