梅雨明けを待ちながら

 台風が去った後は連日きらきらと夏の陽射しです。
最高気温も連日30℃を越えて、雰囲気はもうすっかり夏。
梅雨明け宣言は未だですけれど。


 今朝、台所のドアを開けた途端に、
鉢植えの陰にひっそりと咲く露草を見つけました。

この花は瞬時に子供のころの夏休み気分を蘇らせてくれます。
毎日が楽しくてたまらなかったあの頃のうきうきした気分も。
蛇もカエルもいたあぜ道の草叢に、
鮮やかなブルーの花は、毎朝必ず咲いていました。
パナマ帽に麻のスーツ姿の出勤時の父、帰宅後の浴衣姿の父、
姉さん被りをして、
家族の食事やおやつ作りに台所に立ち詰めだった母、
鼻の頭に汗の粒を浮かべながら、走り回っていた丸坊主の弟達、
父と母、丹精の小さな畑にはトマトも枝豆もありました。
懐かしい昭和の風景です。
半日で花を閉じる露草は茎もなよなよとして心細げなのに、
日陰にも砂利道にも水枯れにもめげないしたたかさ、
かっての日本女性を髣髴とさせます。


 一年が巡って、私の誕生日も巡りました。
7月15日、昨日のことです。
その前日にはボストンの娘から
ピンクの薔薇とトルコキキョウ、赤いガーベラの花籠が届きました。

そして昨日、朝8時過ぎには息子からの花束が。
こちらもピンクの百合、薔薇、撫子、トルコキキョウ、

母親冥利に尽きるというものです。


 日曜日には長男が少し早めのお祝いにと夕食を準備してくれましたし、

昨日は次男がイタリアンの食卓を用意してくれました。

誕生日の度に母が用意してくれたプルーツいっぱいのブラマンジェは

私が楽しみながら作りました。


 誕生日とは楽しくて、そして有難いものです。
自分をこの世に送り出してくれた両親への、
元気で過ごしていられる自分の健康な日々への、
そして、やさしい思い遣りを見せてくれる子供達への、
感謝の思いを、
しっかりと胸に蘇らせてくれる日なのですから。