長月に入って

 今夏の終わりは、今までとは大きく様子が変わっていました。
8月最後の一週間は小雨続き、気温は十月並み、過ごし易さはあるものの
夏休みの雰囲気は消し飛んでしまいました。
 小雨の中で生き生きしていたのは、雨の大好きなヤマボウシ
梅雨の頃を思い出したのか、大きく花開いて見せてくれました。

暑さはいつ戻るやらと思う内に9月入り、明るい陽射しが一瞬戻ったのは、
今月の3日のこと、実に十日ぶりの雨上がりでした。

 何となくくすぶっていたハナミズキが、陽射しに応えてきらめき
移り行く季節を葉色に見せてくれました。

生きものたちはその折々の天候、気温に合わせて、
器用に生き延びる強さを持っているようです。
その意味では私も涼しさに助けられました。
降ったり止んだりの雨に仕事は中断されながらも、
汗もかかずに、やきもの用の土運び、釉薬運びの力仕事、
天候に左右されてなかなか来れない植木屋さんに代わって
塗装工事の邪魔になる木々の枝落としと慣れぬ仕事も
ゆっくりながら精を出して続けました。
 人を当てにせず(時々息子の手は借りましたけれど)
自分でとことん片づけることの気持良さを思い出したのは、
この家が出来上がって引っ越してきた1999年以来のことです。