進み行く秋の日々

 長雨の後に、ようやく陽射しが戻ってきました。
この秋は殊に雨の日が多いように感ずるのは私ばかりではないようです。
何よりも正直なのが、潤っている植物たち、





陽ざしを受けて彩冴える秋の花たちの何と生き生きしていることか、
それを眺めると、私の心も活気付きます。


 でもこの秋は、台風が度重なり、人的被害、収穫間際だった稲や、
作物への甚大な被害、航空機、列車の運休、遅れなど数え切れないほど
多くの影響を多方面に及ぼしました。
北海道を4回の台風が襲ったために、ジャガイモ、人参、玉ねぎなどが
壊滅的な打撃を受け、根菜の価格が通常の2倍に跳ね上がっている
ようです。
いつもは8月中旬に手入れに入る植木屋さんも未だにやって来ません。
雨の影響で予定が立たず、しばし猶予をとのこと。
天変地異は、そこに生きる全てのものに、大なり小なり、
影響を及ぼすことに改めて気づかされる昨今の出来事です。


 雨の日が多いと捗るのは作陶です。雨の日の静かさ、外出の少なさは、
土いじりに集中できる絶好の機会です。土の製品がかなり揃いました。
でもそれから先がなかなか進みません。
ようやく一つ窯の修理が終わって戻りましたから、
本焼きが少しだけ出来ましたけれど。



 降ったり止んだりの9月の日々は、行事の多い時期でもありました。
仲秋の名月、9月15日、お飾りの甲斐あってか、
早足で流れる雲の合間から満月がちらりと顔を出してくれました。


 敬老の日、9月19日、二人の母へとピンクの薔薇を飾りました。
二人の父からは苦情はありません。
母たちがうれしければ、自分もうれしいと言っていた父たちでしたから。


 母(姑)の命日、9月21日、3年前のこの日、
母は父の許へと旅立ちました。
明るくてユーモアに溢れ、とってもおしゃれでやさしくて、
自慢の義母でした。
紫の大好きだった母にと、庭から紫の花を摘んで供えました。


 秋分の日(秋の彼岸)、9月22日、彼岸膳をお供えして、
慕わしい方々とおしゃべりしながら一日を過ごしました。


 これからは気温も落ち着いて、
秋晴れの清々しい日も多くなりましょう。
焼きものに良し、音楽、美術鑑賞に良し、食によし、
楽しみな季節がしばらく続きます。
みなさまにもよいこと、たのしいことが沢山ありますように。