ためらいの春
桜が開きかけて、戸惑っています。
最高気温が20度近くなったのは3日前、その翌日は冬戻りと
天候が大揺れして、寒空に開花した靖国神社の観察桜もしまった、
早まったと、思っているかもしれません。
季節は気まぐれ、大きなマフラーや厚いコートが
出たり入ったりしています。
とはいうものの、庭に出れば花たちはやっぱり春の様子を見せ始めて、
可愛い色や姿を見せてくれています。
乙女椿が次々に咲いて、そのピンク色は春そのもの、
赤い藪椿も盛りです。
勢い良く伸びているのは野の花たち、
人目も引かない在るか無きかの小さな花を咲かせて、
自分の春を楽しんでいるように見えます。
「寒さ暑さも彼岸まで」、若菜を使ったお膳を用意して、
彼岸の皆さんと語らった一週間が過ぎていきました。
風が冷たいとは言っても、陽射しは明るく、心は外へと向いていきます。
ちょっと足を伸ばせば、早咲きの桜にも出会えます。
昨日は、友人を誘って出光美術館へ出かけました。
大好きな「古唐津」の茶陶展を見に。
お茶の隆盛と共に盛んになった国産の茶陶器、
焼きはお馴染みの楽、萩、志野、織部、そして唐津。
その他にも信楽、備前、丹波、瀬戸・・・。
焼きものに魅せられている身には、
陶器の名品を見る機会は心ときめく時間です。
昨日観た作品は178品、数が多すぎて丹念には観きれず、
目を引かれたものを、点々と見歩く結果となりましたが。
印象はぬくもり、素朴、底力。
志野や織部との共通点が多く見いだせたのが楽しい経験でした。