今年のやきもの終い 赤楽の薄茶器 大渡し

 12月も半ばを過ぎて、やり残したことの多さに
心が少々焦り気味です。
11月29日に素焼したままになっていた茶器の大渡しも
焦りの1つ。それを昨日焼き上げました。
赤楽は低温焼成ですから、始めてしまえばたった6時間
で出来上がりです。
さっき、窯開けをして気分を良くしています。
 
これが出来上がった、赤楽大渡の前面と後面の写真です。
  
 実際に置き合わせるときには、下の写真のように、
茶杓を蓋のつまみ下の貫通した穴を通して置きます。
 

 前にも書きましたが、これは江戸千家流祖不白考案の
ものです。形はご覧のようにユニークですし、
道具の置き方ばかりでなく、使い方にも特徴があります。
例えば茶杓で茶を掬う時は、茶器を4分の1向こう回しにして、
耳のないところから掬います。
膝前に置くときは、やはり4分の1手前に回して、
元の形に戻して置きます。
 薄茶器の多くは漆器ですから、陶器の薄茶器というのも
珍しい例だと思います。
時に見立てもの(他の用途に使われていたものを、
茶器に見立てたもの)の中に、焼きものを茶器として
使う例はありますが。

 随所に遊び心が感じられる大好きな茶道具の1つです。